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ブライアン・ウィットウォースの挙げるこの宇宙がコンピュータシミュレーションである11の理由


英語のWikipediaにはBrian Whitworthの項目は存在しないがなぜか日本語のWikipediaには項目があるブライアン・ウィットウォース。

博士は近年のシミュレーション仮説ブームよりもちょっと前にその事を取り上げており、時代を少し先取りしていた人物である。

では今からこの博士が2007年に発表した仮説を紹介しよう。

参照:The Physical World as a Virtual Reality

■1.宇宙の誕生

バーチャルリアリティは通常"無"から発生する。

それはちょうど我々の宇宙がビッグバンによって"無"から発生したとされる事とマッチしている。

■2.処理速度の限界

スクリーン上を動くピクセルの速度には限界がある。

その速度の限界はそのバーチャル世界を構成しているコンピュータの性能に掛かっている。

我々の世界にも光速という限界のスピードが存在している。

(相対性理論は物体が光の速さを超える事はないというのを示しているだけで光速が限界のスピードである理由を説明しているものではない)

■3.デジタル処理

もしも世界がバーチャルなものであれば、全てはデジタル化、つまり小さな領域になるとそこは不連続になっているはずである。

プランクが発見した光は"光子"として量子化されているということは時空が連続的なものではないという事を導ける可能性がある。

(ただしそれはループ量子重力理論などで議論されていることであり本当に時空にそれ以上の分割不可能な最小単位が存在するかどうかは現在のところ判明していない)

■4.非局所性

量子力学の項目で紹介した)波動関数の収縮量子エンタングルメントに存在すると考えられている気味の悪い遠隔作用はシミュレーション仮説によって解決できるかもしれない。

この説が正しい場合、全ての宇宙のポイントはコンピュータ(CPU)から発生しているので"空間"(距離)というのは究極的に考えると存在していない。(目に見える空間は観測者の錯覚でしかない)

波動関数の収縮やエンタングルメントは局所性の破れ(超光速の存在)を示しているように見えるがしかしその原理が空間を伝わっていないのであればそれは古典的な非局所性ではないので相対性理論には矛盾しない。

つまりある粒子間の距離がどれだけ離れていようとコンピュータからすれば意味がないというわけである。(空間の存在すらコンピュータが処理しているから)

■5.情報処理の負荷

例えばコンピュータの処理に負荷が掛かるほどの高画質の動画を見るとスムーズに再生されずスローになったりするが、それと同じように宇宙でも質量が密集すると空間が歪み、時間の流れが遅くなる。

そしてこれは速度の速い物体にも同じことが当てはまる。

■6.情報の保存

もしあるシステムに追加の情報を加えなかったらそのシステム内の情報は消失したり書き換えられたリすることはない。

この宇宙は誕生から約140億年も経っているが情報が消失した事実はない。

そしてもし全てが情報で構成されているのであれば有名なアインシュタインのE=mc2(質量の消失はエネルギーの発生、エネルギーの消失は質量の発生を意味する)が分かりやすくなる。

つまりある情報が別の情報へ変換したのをその式は意味しているというわけである。

様々な保存の法則が存在しているがこの仮説が正しい場合一つに統合できることになる。(シミュレーション仮説に必要な保存の法則は情報保存のみでいい)

■7.シンプルなアルゴリズム

複雑に見える現象を説明する計算式は[E=mc2]のように実際はシンプルだったりする。

シミュレーション仮説が正しい場合、同じく物理法則はシンプルなものである。なぜなら計算可能なものでないといけないから。

(逆に言うと計算不可能な部分があればシミュレーション仮説は間違いともいえる)

■8.ランダム性

主流の量子力学が正しい場合予測不可能なランダムは実際に存在するが、しかしもしそのランダムがその宇宙を構成しているコンピュータのプロセッサーから発生しているのだとしたら否定の見方が強い隠れた変数理論は存在していることになる。

しかしそれは宇宙の外側に存在しているので内側の我々が発見することはない。

※要するにこれはコペンハーゲン解釈の問題ともいえる波動関数の収縮の謎への回答になる。

■9.不確定性

量子力学によると不確定性原理によってある物体の位置と運動量を両方知ることはできない。

これはバーチャルリアリティのスクリーンにも当てはまる。

基本的にはスクリーン上に映ってる時にしかその表示部分はそのような形で計算されない。

例えばある情報が同じ画面上の別の情報に変わる時、それは位置か運動量かどちらかしか持ってない形で処理される。

(※この部分はバーチャルリアリティの仕組みに詳しくないこともあって正直よく分からない)

■10.構成要素

例えばこの"a"という文字はこの"a"と全く同じ。

なぜならどちらも全く同じコンピュータコードで構成されているから。

その事と似たようなことがこの宇宙にも当てはまる。

例えばクォーク電子光子といったミクロのものはそれぞれ個性は存在しないと考えられている。

その理由は"a"と同じかもしれないというわけである。

■11.デジタル情報の変化

例えばパソコン画面映っているカーソルはマウスを動かせばそれに合わせて動いているように見えるが実際はカーソルが本当に動いているわけじゃなく画面に映っているカーソルを構成する光がマウスの動きに合わせてスクリーン上で点滅したりしているだけである。

それによって滑らかに動いているように見える錯覚を生み出している。

この宇宙にもトンネル効果という現象があるが、それはまさにバーチャルリアリティの要領で動いているのと類似している。

という具合に(ブライアン・ウィットウォースが考えた)この宇宙がバーチャルリアリティかもしれない11の理由を紹介したが、これは直訳ではなく私が独自に簡潔にまとめたものなので(特に9番目の部分はかなり適当に説明した)詳細を知りたい人は上で紹介したリンク先を直接ご覧ください。

ちなみにこれだけ共通点があればシミュレーション仮説はかなり説得力があるように思えるが、そう考えるのは早い

特に量子力学の謎を直でコンピュータ処理と結びつけるのは間違ってる……とは言い切ることは出来ないがこれはそう単純に考えれる話じゃないのだけは確かである。

詳しくは次のシミュレーション仮説に潜む問題点へつづく。