宇宙の謎を哲学的に深く考察しているサイト

クオリアはどこから来たのか
(神は存在するのか?)


■関連した考察

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逆転クオリアの概念が意味するものとは

メアリーの部屋

メアリーの部屋の話の中でメアリーが神レベルの知識を持っているという前提は不可能なものだと言ったが、ここであえて可能だとする。

しかしそれでも"神"メアリーは、なぜ「そのクオリア」が「その論理」に対応しているのかを説明することが出来ないように思える。

白黒の部屋の中で外に出ずとも色に関すること全てを完璧に把握できる、つまりシミュレーションと現実の一致率が100%でそれを「神の力」によって外に出て確かめなくても知っているとしても、色のクオリアがなぜそのようなものなのか分からないのではないか?

つまり究極の想像力究極の論理性を持っていても、それがどこから来たのか説明できない?

この事は逆転クオリアの話と関係しているのだが、つまり"意識"というのは論理だけじゃなく非論理の要素も存在し、目の前の現実(意識経験)はむしろ非論理の方で作られているということになる。

そして目に見えない現実として論理、つまり物理法則がその非論理的な現実(意識経験)を制御している。

これが何を意味するかと言ったら、正直よく分からない

このサイトではシミュレーション仮説を中心として意識についてかなり色々考えているが、それは「論理」を中心としたものであるので、「非論理」の方は手付かずの状態である。

というか本当に論理に含まれていないのであればそれについて論理的に考えること自体が無理であるのでこれはしょうがないと言える。

しかし、それ自体を考えることが無意味でも、無意味なことがあるという事で考えれる(想像できる)こともある

たとえば"神"メアリーの持つ「神の力」が何を意味するか。

それが単に究極集合としての意識経験の集合体を意味するのであれば、先ほども言ったように神メアリーは論理と非論理の繋がりを説明することはできない。

だがそれが神の頭脳(究極集合)を超えた存在として"自覚"があるのを意味するのであれば、メアリーがその"初期設定"を創ったという事になる。

外に出て確かめなくても知っている理由は"設計者"だからというわけである。

つまりこの話は、どっちを信じるかである。

宇宙は設計者によって創られたか

それとも設計者無しで存在するか

これは「論理」の枠を超えた話であるので哲学の枠を超えている。

ただ、設計者無しで存在するという考えで引っ掛かる点がある。(この部分は哲学として考えることが可能)

それはエントロピーと無秩序の誤解の話と関連しているのだが、なぜ"物理法則に従って動いている存在"が、「意識」や「意思」などの話をしているのか?というもの。

自由意志は存在しないという考えは昔からあるが、しかしだとしたら物に一切影響を与えないはずの意識や意思について物が議論しているというのは、冷静に考えると奇妙である。(物の部分を情報に変えても同じ)

それについては意識が宇宙の本質であるイデアリズム的なソリプシズム)が解決案になりそうだが、しかしそれを考慮してもこの部分は謎が残る。

この話は唯物論(マテリアリズム)の否定だけを意味するものじゃない。

なぜなら宇宙というのが数学的に説明可能という部分は、マテリアリズムだろうとイデアリズムだろうとソリプシズムだろうと意味は変わらないからである。

あくまでその存在の仕方についての違いであって、つまり数学的に説明可能な存在(普通の人間)が数学の枠を超えた意識について話しているのは、何であろうと妙に思えるわけである。

この事は現象判断のパラドックスと呼ばれる。

上の話の中で熱力学第二法則というのは"人が意味を与えた現象"を数学的に説明する為に用意された物理法則もどきではないのかと指摘したが、イデアの宇宙としてそれを考えるとゾンビワールド(哲学的ゾンビのみで構成された宇宙)でもそのような"やり取り"が行われている事になる。

それがどういう事か図で説明するとこうなる。

ゾンビワールドに限定せずとも意識が物質の動きに直接影響を与えない世界であればこの問題は同じことが当てはまる。(ちなみにこの世界はそのタイプであると多数の科学者は思っている)

この事はシミュレーション仮説を考慮した中国語の部屋の中で言ったなぜそのアルゴリズムが強いAIに当てはまるのかという問題と一致する。

意識が確実に関与するのは意識についてのやり取りが"存在する"理由までである。

意識についてのやり取りが"行われている"理由までは関与してるとは言えない。

つまり自由意志を持たないはずの数学か何かのパターンが意識について議論を交わしている理由まで意識の作用に含まれていると単純に考える事は出来ない。

とは言ったが、含まれていると仮定すれば、この謎は解ける。

つまり設計者がいるから、"ある条件"が整うとゾンビワールドでも意識について議論をするというわけである。

そのような初期設定だから。

※ある条件とは人間のような知的生命体に該当するアルゴリズム(強いAI)

要するによく議論される生物に適した環境下で地球(宇宙)が存在する理由は、偶然でもなければ、意識が本質だから(観測者がいなければ存在しない)と単純に考えれるわけでもなく、それを超えた設計者(インテリジェント・デザイナー)によって創られたからということになる。

ただし当然その考えには問題がある。

昔からある疑問だが、神が存在する(した)のであれば、何がその神を創ったのか?

という神の無限後退問題。

次の現象判断のパラドックスと「設計者」へつづく。